自担との出会いが全然ドラマチックじゃなかった話
私は新宿DASH出の岸担である。
ドラマの演技に心奪われて……
音楽番組で歌い踊る姿に一目惚れ……
そういうドラマチックな出会いでは全然なかった。
毎週見ているバラエティ番組に彼は突然現れ、準レギュラーのポジションを得て、確実に爪痕を残して。
私の日常にぬるっと入り込んできたのである。
2020年8月2日
岸くんが初めて鉄腕DASHに出演した日、らしい。
というのも、全く印象に残っていないのである。本当ならこの日が自担と出会った運命の記念日になるはずだったのだが、たまたま見逃したのかな?というくらい記憶にない。どうして。
2020年9月6日
太一さん、二宮くんとカブトムシを探す回。
ここでやっと岸くんを認知。
ただ、このときも「様子のおかしい子が来たぞ」くらいの認識しかなかった。
2020年11月1日
本当の意味で岸くんに”出会った”のはこの日。
美容院でたまたま手に取ったHanako。
その表紙が岸くんだった。
「King & Princeってグループ名からしてキラキラしてるのに、この子はどこか昭和っぽい香りがするぞ」という印象が強く残っている。
この時点ではまだかっこいいとも可愛いとも思わなかった。
ただ、「なんだかひっかかる子だな」とは思った。
このひっかかりの正体が違和感か、それとも単純な興味だったのかはわからない。けど、この日を境に岸くんに対する関心が増したのは間違いなかった。
2021年春
DASHに岸くんが登場するとテンションがあがり、しばらく姿を見ないと寂しくなる自分に気がつく。
楽しそうに自然と触れ合う姿、危なっかしいくらいまっすぐで一生懸命な姿勢、
思わず応援したくなるほっとけなさ、とぼけた発言、くしゃくしゃの笑顔、きゅるきゅるの目。
いつしか増えていく、岸くんに対して「かわいいな」と思う瞬間。
すっかり岸くんに夢中になっていた。
「この子を応援したい。もっと見てみたい。」
「もっとこの子のことが知りたい。」
ふつふつと込み上げてくる感情。
しかし当時はジャニーズ界隈に対して、「ファンが過激!ニワカお断り!同担拒否!」の怖いイメージを抱いており、なかなか一歩を踏み出せず。
ファンを公言せずテレビの前で応援するだけで十分かな、とその頃は思っていた。
2021年5月2日
岸くんが城島リーダーに弟子入りしてお蕎麦を作る回。
相変わらず岸くんは「ラディッツ」とか「ネギブロック」とかよくわからないことを言っていたし、それを見て「岸くんはおバカだなぁ」といつものように笑っていた。
でも、お蕎麦に対する真剣な眼差しと真摯な姿勢。
いつものポヤポヤした岸くんとは違う一面を垣間見たその時、
「やっぱりこの子を推したい!ファンになりたい!いや、ならなきゃ!」という熱い使命感がメラメラと燃え上がったのである。
「この歳でジャニオタデビューはちょっと痛いかな。」
「箱推しできそうだったらファンになろうかな。」
色々葛藤はあったものの、King & Princeをまるっと全員好きになれたら岸くんをちゃんと推そう!と決心。
それから岸くんやメンバーについて調べる日々が始まる。
私はタイミングが良かった。
24時間テレビのメインパーソナリティ就任、初冠番組放送、メンバー出演のドラマが放送開始、アルバム発売決定など、メディア露出には事欠かなかった。
グループについて理解を深めるにはもってこいだったのである。
結論、まるっと全員好きになった。
2021年6月
メンバーの顔と名前がようやく一致し、各々の活躍を楽しんでいたものの、まだFC入会は悩んでいたし、CD購入も新アルバムからでいいかなとのんきに構えていたある日。
そういえば公式YouTubeチャンネルが開設されたんだったっけ、と軽い気持ちで再生したシンデレラガールのMV。
沼へ突き落とすトドメの一撃だった。
「これ本当に私の知ってる岸くん?」
理解が追いつかなかった。
困惑、混乱、動揺。
こんなに甘い声で、こんなに切ない表情で歌うなんて知らなかった。
PM11時間近の にぎわう街並みに
まだサヨナラ言うには 全然早すぎるのに
シンデレラガールのAメロで岸くんに落ちた人、たくさんいるんだろうな。
私もそうです。
何度も何度もMVを再生しながら、「もう戻れないな」と悟った。
良くも悪くも予想外の言動にヒヤヒヤさせられたり、駄々滑りしたネタに真顔になることもあるけれども、岸くんに出会ってから声を出して笑うことが増えたと思う。
私の日常に加わった新しい彩り。
それが岸くん、そしてKing & Princeなのだ。
いい歳して20代のアイドルにヒィヒィ(決してキャーキャーではない)大騒ぎし、Twitterで「き゛し゛く゛ん゛か゛わ゛い゛い゛」などと喚き散らしている図は控えめに言って地獄でしかないのだが、「推しは推せるときに推せ」の言葉を胸に、楽しく応援したいと思う。