自担にのろいをかけてしまった話
これは「1日でも長くみんなのアイドルでいてくれますように」というお願いを岸くんにしたつもりが、うっかり呪いをかけてしまった!というポエティック自分語りエントリーです。
2021年夏、暑くて目まぐるしい日々だった。
こんなにバラエティ番組を見たのはいつ以来?と思うくらい24時間テレビの番宣をチェックし、当日は祈るような気持ちで5人の活躍を見守った。
久しぶりといえば、まとめ買いしたCDをパソコンに取り込むのもまた懐かしい作業で。
iTunesにずらりと並んだKing & Princeの楽曲は、ひとつひとつ大切な宝物のようで愛おしく感じた。
夜な夜なアルバムを聴き込んだり、暇さえあれば同担さんのブログを拝見してデビュー前後の雰囲気を追体験させて貰ったり。
こんなに趣味が充実した夏を過ごせるとは思わなかった。楽しかったな。
そして迎えた秋。
ナイトドクター最終回にしんみりし、突然現れたキシボン3世に狂喜乱舞し、iTunes再生回数トップ20にORESENが躍り出てきた頃にやってきた9月29日。
そう、岸くんのお誕生日である。
祭壇を作ったり愛のこもったケーキを用意したりイラストを描いたり、熱量の高いお祝いをするファンも多いが、私はといえば担当にちなんだ料理を食べる簡素なもの。
その日も昼食にお蕎麦を食べ、今日もどこかでお仕事を頑張っているだろう岸くんに思いを馳せ、SNSにアップされたお写真をチェックしてニマニマした程度。
秋らしい良い天気の日だった。
穏やかな陽気だというのに何故か感傷的になっていた私は
「岸くんが元気にお仕事をして、充実した日々を送れますように。」
そして
「岸くんが少しでも長くみんなのアイドルでいてくれますように。」
とお願いをした。お祈りのようなおまじないのような、ささやかなものである。
ただでさえ不安定な芸能界。
あまり考えたくはないことだが、いつかはメンバーの脱退や解散、そして引退に直面する日がやってくるかもしれない。
この先ずっと5人が今のかたちで活動できるのか、岸くんがアイドルとして活躍し続けられるかの保証はどこにもない。
だからこそ、1年でも1日でもいいから少しでも長くKing & Princeのメンバーとして、みんなのアイドルとして生きていて欲しいと願った。
……でもこれって冷静に考えてみたら、随分と一方的なお願いなのでは?
本人の意思なんて一切関係なく「みんなのアイドル」であることを強要していないか?
自分がコンテンツとして消費するために存続して欲しいと思うのは、ただの呪縛ではないか?
私のささやかな願いはくるりとひっくり返り、呪いになってしまった。
呪いと願いは表裏一体。これは願いなんて可愛いものではなく、独りよがりで身勝手な呪いの言葉なのだ。
「呪い」だなんて大袈裟だと思われるかもしれない。まぁ実際その通りだと思うが、私にとってはちょっとした大事件だった。だからこそブログタイトルに選んだわけだし。
誕生日、結婚、出産等々、人生のあらゆるタイミングで大切な人たちの幸せを願ったことはある。
でも願いという体で、自分本位な願望を他人にぶつけたのは初めての経験だった。
出会ってから1年も経っていない、まだ何も知らないちっぽけなファンの分際で、岸くんに呪いをかけてしまったのだ。
3次元男性アイドルに夢中になっていること自体予想外だったのに、そのうえ大好きな自担に呪いをかけてしまうなんて。強欲な自分に驚いてしまった。
アイドルはいつだってファンを幸せにしてくれるのに、ファンは自分の願望を満たすためアイドルに呪いをかけている。なんて業の深い生き物なんだろう。
それでもやっぱり、もう少しだけでもいいから呪いにかかっていてくれないかな。